インドの株を買うにあたっていろいろ調べてみました。
ところで、インドってどんな国のイメージがありますか?
- カレー
- IT
- カースト制度
こんな感じじゃないですか?
私はカレーとITのイメージがかなり強かったですね。
せっかく投資するならってことで、「池上彰の世界の見方 インド」を読んでみました。
相変わらず池上さんはとても分かりやすく説明してくれています、インドに興味があればみてみても良いかもです。
今回は私がこの本で興味をひかれた部分をご紹介していこうと思います。
まず、インドについて考えるうえで一番重要な部分を先にお伝えしておきます。
それは、、、、、、
【カースト制度】
です。
聞いたことはあると思いますがこの制度がとても大きな意味を持ちます。
では、具体的に説明をしていきます。
世界最大の民主主義国家

ところでインドがどこにあるか知っていますか?
世界地図でみると中国の斜め下、大きい▽の部分です。
どれだけ大きいかというと日本の約9倍、インドだけでEU圏の8割くらいです。
人口は12億人程度、その中位年齢は「28.7歳」と若くこれからの成長を期待させてくれます。
また有権者だけでも9億人ほどいます。
これだけ広い国土と有権者をもっているためインドの選挙は1月くらいかけて行われます、
そのため【世界最大の民主主義国家】と言われています。
具体的には
- 字が読めなくても投票できる
- 下院の議員は全て直接選挙で選出
- マスコミが自由に政府を批判できる環境
- 憲法を取りまとめたのが、当時一番身分の低い地位の「ダリト」出身者
- レベルの高い裁判官による三審制
しかし、このように表向きは民主主義なのですが実際はどうでしょう?
実際インドの民主主義には「光の部分」と「闇の部分」があります。
ここから闇の部分について解説していきます。
インド最大の宗教ヒンドゥー教とは?

私の学校は仏教校だったのでインドと言えば【仏教】だったのですが、インド人の約8割がヒンドゥー教徒です。
歴史的には古代インドには元々「バラモン教」があり、ブッダは「バラモン教徒」でした。
その後にバラモン教からブッダの「仏教」や「ヒンドゥー教」が生まれました、いうなれば2つの宗教は兄弟みたいなものなのです。
しかし、仏教は身分制度「ヴァルナ」を否定したのに対し、ヒンドゥー教は「ヴァルナ」を認めている点で2つはことなります。
では、ヒンドゥー教とはどんな宗教でしょうか?
ヒンドゥー教には次のような特徴があります
- 自由に信仰する神様を選べる
- 創始者・開祖・経典がない
- 身分差別
自由に信仰する神様を選べる
ヒンドゥー教は多神教なので日本の「八百万の神々」のようにたくさんの神様が存在します。
そのため信者が自由に信仰する神様を選びます。
日本でも有名な破壊と再生を司る「シヴァ神」はインドでも人気があります。
実は、ヒンドゥー教の
- 牛を食べてはいけない
- ガンジス川での沐浴
この2つにも「シヴァ神」が関係しているのです。
ちなみに水牛は食べてもいいそうです。
シヴァ神の乗り物とされているコブのある牛が食べられないのだとか。
創始者・開祖・経典がない
ヒンドゥー教は生活の中から自然発生的に生まれた宗教なので、
創始者や開祖・経典が存在しません。
生活に密着しているからこそ、神様を身近に感じているとも言えます。
経典はないのですが、太古から伝わる「聖典」がたくさんあります。
その中でも最も古いのが4つの「ヴェーダ」です。
ヴェーダとはサンスクリット語で「知識」という意味で、宗教の知識を収めた文献です。
4つのヴェーダとは
- 「リグ・ヴェーダ 紙への賛歌」
- 「サーマ・ヴェーダ 歌詞と旋律」
- 「ヤジュル・ヴェーダ 作法」
- 「アタルヴァ・ヴェーダ 呪文」
以上の4つです。
この4つの中でも重要なのは「リグ・ヴェーダ」です。
これには1000以上の神々を讃える賛歌が収めれらています。
カースト制度との強い結びつき
そもそもカースト制度とは何でしょうか?
カースト制度とは
- 身分制度「ヴァルナ」
- 職業的集団「シャーティ」
この2つが結びついてできた社会制度がカースト制度です。
ヴェルナとは
ヴェルナは4段階で構成されます。
上から、
- バラモン 司祭・僧侶
- クシャトリア 王族・戦士
- ヴァイシャ 農民・牧畜民・商人
- シュードラ 奴隷
さらに、ヴェルナの枠の外に置かれて最も差別された「ダリト」(指定カースト)という身分もあります。
この身分の人々は死体の処理などの宗教的に不浄とされた仕事を強制的にさせられました。
- バラモンからヴァイシャまでの上位カーストで全人口の約30%
- シュードラが下位カースト50%
- ダリト20%
少ない上位カーストを残りの下位カーストが支える仕組みが作られていました。
シャーテとは
ジャーティとは「生まれ」という意味です。
具体的には、親が大工なら子供も大工にしかなれず、婚姻もその集団で行う事とされました。
つまり、血縁を重視する同業者集団の事を「ジャーティ」といいます。
このジャーティとヴァイシャが結びつくことによって今のカースト制度の形となっています。
ヴァイシャ + ジャーティ = カースト制度
ジャーティによって職業につく人は限定されています。
大工は大工のグループの人間が行います。
そして大工のグループ同士で結婚することになっています
これを繰り返すことによってグループの結びつきはどんどん強くなっていきます。
【グループ制度 シャーティ】と【身分制度ヴァイシャ】が結びつくことによりジャーティ間での上下関係が作られていきました。
これがカースト制度です。
職業区分であるジャーティは3000以上あり、それぞれがどこかのヴァイシャに属しています。
所属しているジャーティにより上下関係があるわけです。
ヴァイシャの外に置かれたダリトの人への差別はとてもひどいものでした。
以前は、ゴミ集めや死体処理を強制され、他のカーストと同じ井戸水を飲むことすら許されませんでした。
現在では憲法でカースト制度は認めていても、カーストによる差別は否定されています。
ただ、実際にはまだまだ根深く残っているのが現状です。
インドの民主主義と差別
世界最大の民主主義として素晴らしい制度を持つインドでも、身分による差別が残っていますが。
あの有名は「ガンジー」でさえカースト制度をなくすことは出来ませんでした。
それだけ国民の生活と結びついてしまっていたという事です。
しかし、今の時代は低カーストの人間でも逆転することが出来るようになりました。
その理由は
- ITなどシャーティに載っていない仕事ができた
- 大学に低カースト枠が作られている
ジャーティはとても細分化されているため、最近できた新しい仕事は載っていません。
そのためITなどには低カーストでも就くことができます。
そのおかげで今は低カーストの人間が収入で上位カーストを抜くという事が起きるようになりました。
また、身分による格差の是正のため大学で低カーストの入学枠がかなり多く用意されています。
インドでは一流大学を卒業することが重要視されているので、低カーストの環境でも頑張れば高収入を得る事が可能となってきました。
まとめ
今回の内容はいかがでしょうか。
まとめると
- 世界最大の民主主義
- ヒンドゥー教とは
- カースト制度とは
- インドの民主主義と差別
正直インドの事って全然知りませんでした。
それこそ最初に書いた通り、「カレー」「IT」くらいのものでした。
しかし、この本を読んでインドの光と闇を感じました。
光の部分は
- 人口の多さ
- 若さと労働力
- ITの発展
闇の部分
- カーストによる差別
差別は良くないと誰もが分かっていても、宗教と結びつくとこの現代においても色濃く残ってしまうという事に驚かせれました。
またITの発展の理由にカーストが関わっていたという記述があり、その話も考え深いなと思いました。
これからの世界はきっとグローバルになっていくと思うので、もっといろいろな文化を知ることが大切かもしれないですね。
